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家庭内自給率アップ!〜自然が相手だと知ること〜

先日書き始めたお米作りのレポートです。

先週土曜日、また自然村たなごころ 〜掌〜の岡野さんのところに友人と1歳児の息子を背負い伺ってきました。今回の作業は岡野さんが新しく取り組む黒米用の田んぼの入口に出来てしまった薮払いと、ブルーベリーの肥料やり、そして田んぼに湧き水をひく水路の調整などです。

山の斜面にある黒米用の田んぼの入口には、篠竹が生い茂り耕耘機が入れない状況。草刈り機とノコギリを使い根元から篠竹や草を刈っていくこと2時間。見違えるように明るくなった田んぼで今年の実りを夢想してしまいました。しかも切り出した篠竹は枝葉を払って野菜を育てる時の支柱にするそうです。無駄の無い作業というのはこのことかと感じました。1年弱分の篠竹を確保することができました。この時、ちょっと気になったのが毛虫の数。相当たくさんいました。子供や自分も刺されないか気をつけながらの作業になりました。

次にお昼ご飯の前に僕らが作るお米の田んぼへ。本来ならこの田んぼはなみなみと湧き水がたまっているはず。そして、カエルの卵が孵ってオタマジャクシが泳ぎ回っているところ。ところが、予想以上にお休みしていたこともあり、土は雑草の根によって無数に穴が空き、まさに自然に出来た不耕起の畑状態。水を入れても入れてもただしみ込むばかり。実は岡野さんからは、先日より連絡を受けてはいたのですが水を大量に入れながら一度耕耘機でかきまぜてひたひたの土の層を作ってからでは無いと、畑状の土には水が溜まらないとのことでした。そしてその状況を作り出すには湧き水では水量が足りない。この地域では4月7日に利根川からの水を農業用水として引き込むようですが、まずはこの水を借りて作るしか無いようです。

とはいえ、もう春なのにまだ少し冬水田んぼに未練もあり、湧き水をなるべく引き込むべく切り出した竹を割って作った水路を調整しながら、なるべく湧き水を田んぼに流せるようにしてみました。 当初の計画は、どうにもうまく進みませんがとはいえ、これも経験。最高の田んぼ作りに向けてひるまず今後も進みます。

おいしいお昼ご飯を頂いたあと午後は 、岡野さんのブルーベリーの木々に肥料を与えます。有機質肥料を撒いたあと、竹のチップを上にかぶせていきます。これは何かというと竹林の竹を粉砕器で粉々にしたものを山積みにしていたもの。山を掘り返してみると中からたくさんの幼虫が出てきました。クワガタ虫のものか、紙切り虫のものか、どきどきします。この竹のチップを撒く理由はいくつかあり、これ自体が長い時間をかけて有機質の植物性の肥料になっていくことや、竹チップを一株一株撒いた肥料が風で飛ばないように上にかぶせるように撒いていくと、雑草が生えにくいマルチの効果を持つそうです。

腰を落として岡野さんの不耕起のフィールドで作業をしていくと、タンポポや紫色の花に蜜を吸いに来たミツバチをよくみかけます。昨年は岡野さんのところの裏山の椎の木のうろに、ニホンミツバチが巣を作っていたらしくボール一杯の蜜を採蜜できたそうです。

田んぼには絶滅危惧種のニホンアカガエルが群生し、野生のサシバという鷹が訪れ、裏山にニホンミツバチがいる農家さん。農家さんという職種と係る生物の多さに驚かされます。

とはいえ自然が豊かだと思うばかりでなく、自然と闘っているのだと感じた今回。いくつかの問題も教えてくれました。まずは飼っている鶏がハクビシンという野生の動物に何匹か襲われてしまったこと。ニホンミツバチの養蜂を考えても、ちょうど良い場所が農薬の空中散布の影響によって使えないこと。そして、このところの雨天の多さや寒さでこの春の田植え用の苗がカビでかなりやられてしまったこと。それぞれが毎年同じではない状況に対して、知恵と経験をもって対応していく農業。係ってみながら、本当に一筋縄ではいかないなと感じました。

2010年04月06日 16:02:09