東京朝市 アースデイマーケット EarthDayMarket

毎週のようにマーケットを開こうとしている理由

 来る12月12日(土)、今度は、世田谷区野沢の団地「アクティ三軒茶屋」の敷地内でアースデイマーケットin三軒茶屋の第一弾を準備中です。

それにしても、この秋、アースデイマーケットは、ちょっと不似合いなほど“アグレッシブ”になってみました。(ゆるそうに見えて。。。)

代々木公園の開催に加え、ほぼ月1開催が定着してきた東雲キャナルコート、そして浜松町エコプラザの運営、そして、その合間の休日には、また別の場所でのマーケットに挑戦してきています。そんな新展開マーケット・秋冬の陣の最終回が12月12日の三茶というわけです。

さて、なぜこんなにあちこちでマーケットをやろうとしているのか。と言いますと、もともとのマーケットのイメージと、いまのマーケットの姿とが、やはりまだギャップがあるからなのです。

この記事をお読みのみなさんの中にも、海外旅行先で、街頭でマーケットに出会ったことがある人は少なくないと思いますが、マーケットというのはそれぐらい身近なもの。わざわざ足を運ぶというよりは、もっと身近な場所で、かなり頻繁に開かれていて当然のものなのです。

実は私たちがアースデイマーケットを立ち上げる前にも、まずは実践している人の話を聞いてみようということで、高知の街路市について勉強会を開いたりしたことがあります。そこで聞いたお話は、高知では、市役所の中に「街路市係」というセクションがあって、そこには当然のことながら「街路市係長」というポストの人がおり、この係長は、例えば朝5時に始まる日曜市の日には、その時間に現地に“出勤”し、約600の出店者の出店状況を確認するといったことをお仕事にされている、なんてことを聞かせていただきました。

高知がスゴイのは、毎週日曜日にこの大規模な街路市が開かれていることに加え、月曜市、火曜市、・・・という具合に、週5日(!)ぐらいマーケットが開かれており、それぞれ、市の開かれる場所は高知市内の異なる場所になっています。つまり、街のあちこちに、毎日のようにマーケットのある街。それが高知なのです。

また、私がサンフランシスコに行った時も、高知とは違う形で、街の随所にマーケットが存在していました。

サンフランシスコのマーケットは、市役所が運営するマーケットが1つ、NPOが運営するマーケットが少なくとも3つ以上あります。市営のマーケットは、月1回、ちょっとカオスな感じもする高速道路のジャンクションのすぐそばのいささか殺風景な広場に展開しており、出てくる出店者もさまざま。基本的には量と安さで勝負という感じで、ゴチャッとした印象です。低所得層を中心に市民に安価な食を届けるという明確なミッションがこの市営のマーケットには課せられており、市が福祉政策として取り組んでいる側面もあるわけです。

一方、NPOが運営するマーケットもさまざま。一つは、低所得者が多いエリアの住民向けということをうたっていましたし、また別のマーケットは、食をめぐる政策提言を盛んに行っている団体で、法改正などを積極的に求めるための足元からの活動としてマーケットを行っているという印象。このマーケットはオーガニック限定という感じでした。また、フェリープラザというところで行われているマーケットは価格は高めでしたが質もいい感じで、観光客なども立ち寄って楽しめそうな印象。料理教室なども行われていたり、このマーケットで買い付ける地元のレストランも多いようでした。

いずれにせよ、こういう姿を日本でも世界でも目にしているので、いまの東京のマーケットの状況はまだまだ、としか思えないのです。

こうした視点から見れば、アースデイマーケットが、ちょこちょこといろんな場所でマーケットの取り組みに着手しているいまの姿ですら、「ひよっこ」的水準でしかないかもしれません。

この秋実施した試験的なマーケットが、永遠の「第1回」に終わるのではなく、来年以後継続的に開催できるかどうかも、開催場所との個別の相談に委ねられていきます。

そんな状態ですので、もう少し世界各地の街と同じぐらいの状況に近づくまでは当然のこととしてマーケットを広める方向を目指していっていいのでは、というのが、少なくとも私自身の基本的な目線です。

今年播いた種が、2010年以後、しっかり芽生えていくかどうか。基本的に、ポジティブな感じはしているのですが、どうなるかはまだ分かりません。

いろんな形で、これからも応援よろしくお願いします、というのが正直なところです。

文:  嵯峨生馬[アースデイマネー代表]

2009年11月29日 13:32:31