2008年11月26日 第5回 アースディマーケットレポート!
「さてさて、今日のターゲットは誰かなあ?」
獲物を探すように会場内を練り歩いていた山本の目に飛びこんできたもの珍しい看板。
「こせがれネット…?何だか面白そうな予感!」
というわけで今回の突撃インタビューは、有機農業で野菜と卵をつくっている千葉県流山市「自然農園 レインボーファミリー」の代表、笠原秀樹さん。
農業を始めたきっかけは?
2009年から本格的に動きだす「こせがれネット」って、何ですか?
ではでは、農業を始めたきっかけから教えてください。
「父がフラワーアレンジメントの仕事をやっていましてね、もとから自然は身近なものだったんです。高校の頃には環境に興味を持つようになり、大学は林学科へ。卒業後は造園会社に就職しました。そこで環境に対する配慮や接し方を学びましたね。その頃、農的な暮らしを実践するパーマカルチャーにも興味がわき始めて、パーマカルチャーの本場、ニュージーランドのレインボーバレーファームに行きました。そこには本当に幸せな農的暮らしが広がっていて、『自分でもこういう暮らしがしたい!』と心から思ったんです。」
「日本に帰ってきてから、埼玉の小川町にある有機農家の霜里農場へ見学に行きました。それまでは、『農業だけでは食べていけないんじゃ…?』という漠然とした不安があったんですけど、金子さんは『農業だけでもぜんぜん食べていけますよ』とあっさり太鼓版を押してくれた。その後妻も一緒に栃木のウインドファミリー農場に行って1年研修を受け、独立を果たしました。2008年でもう6年目になりますね。」
ふむふむ、レインボーファミリーには、これがこだわり!っていうところはあるんですか?
「うちの農園は、こだわらないところがこだわり。循環型農業をやっているので、鶏糞を肥料に使ったり、無駄なものがでないように心がけていますが、その他のテクニック的な部分は先輩たちに教わった通りにしています。例えば、ニワトリの餌の配合も重要ですが、それよりもニワトリがいかに幸せに育っているかの方が重要だと思うんですよね。なので、環境を整えることを心がけ、農場の規模もあまり大きいものにせず自分たちが無理せず作れる範囲にしています。」
なるほど。農業を始めた当初は、お客様をどうやってゲットしていったんですか?
「無理に消費者を獲得しようとは思わず、口コミで自然と販路が広がっていくのに任せましたね。今はブログとかHPとかアピール方はいくらでもあるけど、やっぱり口コミの方が思いも伝わるんです。例えば、『あの家はお年を召している方がいるから少しずつ野菜が食べられる方がいいなあ。』とか、相手を思いながら野菜を送ることができますよね。顔が見える関係だけでなく、食卓も見える関係っていうのが理想なんです。
うちの農場では、定期的に契約して下さるお客様には、一度うちの畑に足を運んで欲しいなと思っています。本来、食べ物はおのおのが作れれば一番よいもの。しかし、すべての人がそれをできるわけではないので、私たちが食物を代わりに育てている。私たちの感覚では、農家は『家庭菜園代行業』なんだと考えています。なので、消費者の方々も生産者と変わらない感覚で付き合ってくれるといいな、と思いますね。
ふむふむ、本当にその通りですね!消費者にとっても普段食べている野菜のふるさとに訪れたら生産者に対して感謝の心がわいてくるし、野菜がともっとおいしく食べられると思います。
ところで、農家のこせがれネットワークはどういうグループなんですか?
「こせがれネットは、みやじ豚で有名な神奈川県の宮治さんが発起人となって立ち上げた団体で、実家が農家の息子さん、娘さん(こせがれ)を中心に各地の消費者たち、農業に興味のある方、
都心の企業などをつなげるネットワークなんです。
日本の農業を元気にしよう!と思ったときに一番手っ取り早いのは、すでに土地があるこせがれの皆さんに実家の農家を元気にしてもらうことですよね。そこで、農家の後を継ぐことが不安じゃなくなるようにするのがこせがれネットの役割。東京のビジネスパーソンと結託することで販路を獲得したり、もしくは、『実家が農家ではやってみたいけれど、どうしたらいいのかわからない』という人のために独立を応援したり。ネット主催のイベントで実家の農作物をPRしたり、さまざまな方向から日本の農家を変えていこうとするネットワークを企画しています。2009年3月にはNPO法人化の公式発表会をする予定なんですよ。」
おおっ、それはかなり一大ムーブメントの予感。
農業が若者にとってカッコいいものになったら、絶対日本は変わると思います。そこで山本は追跡取材を決行!
12月に開催された「農家のこせがれネットワーク設立発表会」に潜入してきました。
当日は定員をはるかに超える60名、こせがれの皆さんやリアル農家のかたがた、朝日新聞社など各種マスコミも取材につめかけ、大盛況!すごい熱気に、このネットワークは日本を変える!と確信した山本。大注目ですね。
随時発起人やメンバー、メーリス参加者などを募集しているので、ぜひぜひ興味のある方はこせがれネットワークブログをチェックしてみて下さい
<参考HP>
農家のこせがれネットワークブログ
http://ameblo.jp/kosegarenet/
自然農園 レインボーファミリー
http://rainbowfamily.blog101.fc2.com/